AI診断を活用した『nodoca』を導入しました|ながいキッズクリニック|宝塚市川面の小児科・小児内分泌科・内科

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AI診断を活用した『nodoca』を導入しました

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インフルエンザウイルスの検査方法の一つとして、従来のお鼻から綿棒で検体を採取する抗原迅速検査に加えて当院では新たな検査方法としてAI診断を活用した『nodoca』を2023年11月より導入しています。

nodocaとは、専用のカメラを口の中に入れ、ノドの写真を撮影し、医師の診察所見と合わせAIを用いてインフルエンザかどうかを診断します。この検査では、鼻の中に綿棒を入れて擦る必要がありませんので侵襲性が低いことが特徴です。インフルエンザの患者さんでは、多くの場合に咽頭後壁(喉の奥)にリンパ濾胞と呼ばれるブツブツが観察できます。この特徴などを参考にしてAIに多くのインフルエンザの患者さんの所見を学習させて診断されます。nodocaがインフルエンザ患者さんを正しく陽性と判定できる感度は70%以上で、陰性を正しく陰性と判定できる特異度も85%を超えます。どの検査でも必ず正しい判定が出るわけではありませんが、従来の抗原迅速検査と遜色ない診断精度であると報告されています。

適応は6歳以上で、口を開けて写真を落ち着いて撮ることができる方が対象です。発熱から6時間以降から検査は可能ですが、特に発熱後12~24時間の方が正しく検出される可能性が一番高く、従来の抗原検査キットは早期の検出が苦手とされていたため有用と言えます。一方で24時間以降では喉の所見が改善して咽頭後壁(喉の奥)にリンパ濾胞の腫脹や発赤が改善しておりうまく検出されないことがあるため、発熱から2日目の方では診察の結果で抗原迅速検査をオススメする場合もあります。

現在はインフルエンザの判定しか対応しておりませんのでCOVID-19(新型コロナ)などの検査をnodocaで同時に実施することはできません。検査に要する費用は従来のインフルエンザ検査と同程度ですが従来のインフルエンザ検査と一緒に行うことは出来ません。

私自身も咽頭反射があり従来の検査が苦手でしたが、実際に体験して嘔気も出ずすごく楽に検査を実施出来ました。特に中学生以上の方でご希望の場合には是非お申し付けください。今後もこのような痛みの少ない検査方法が開発され、お子さんにとっても病院が怖くなくなることを願い当院でも有用と思われるものは採用していきたいと思います。