思春期の『始まり』はいつ?(思春期早発症①)|ながいキッズクリニック|宝塚市川面の小児科・小児内分泌科・内科

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思春期の『始まり』はいつ?(思春期早発症①)

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皆さんが思われる“思春期の始まり”とは何でしょうか。

私が実際に親御さんにお子さんの思春期の始まりを聞くと、“反抗期”のようなお子さんの態度の変化に成長を感じられていることが多いように思います。

 

しかし、医学的には思春期の開始は体の変化で以下のように定義されています。

・男子:精巣の大きさが3~4mlになったとき

・女子:乳房が少し脹らんできたとき

 

平均で女子は9歳6ヵ月、男の子は11歳6ヵ月に思春期が始まります。実際には女子の思春期開始時の変化は分かりやすいのですが、男子は親御さんが判断するのは難しいと思いますのでなかなか気づかれることは少ないと思います。気がつかれやすい陰毛の出現は思春期の半ば、男子の声変わりや女子の初潮は思春期の終わりの時期になります。

 

思春期には男子では男性ホルモン(テストステロン)、女子では女性ホルモン(エストロゲン)が分泌されることで身長がいままでよりずっと早く伸びていきます。いわゆる“成長期”で、全身の骨が大人の骨に完成することで最終身長に到達します。

よくあるご相談で、『初潮を認めたから背が止まるのではないか?』と思われている方が多いのですが、正確には『初潮を認めるほど思春期が進んだ女子はすでに大人の体に完成しつつある』ため身長の伸びるピークの時期が過ぎていることが多いのです。

 

思春期とはご両親が愛情を注いで大切に育てたお子さんが無事に大人になり、妊孕性(子供を作る力)を獲得する、本来なら喜ばしい変化です。

しかし、一部のお子さんには思春期の開始時期によっては上記の成長期が早く来ることで最終的に低身長のリスクとなる可能性があります。

次回はどのようなお子さんで注意が必要かをお話しします。

 

ながいキッズクリニック 院長 永井 正志 拝

 

 

 

 

(ながいキッズクリニック公式ブログ 2021.6.7)