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お子さんの背が伸びないことに悩まれているご家族も多いと思います。成長期にしっかり身長を伸ばすためには、日々の食事がとても大切です。
今回は、成長発達外来でもよくお話している「エネルギー産生栄養素バランス(PFCバランス)」について、できるだけわかりやすくご紹介します。
「PFC」とは、食事に含まれる3つの栄養素のことです。
P = タンパク質(Protein)
F = 脂質(Fat)
C = 炭水化物(Carbohydrate)
この3つは、体を作り、動かすためのエネルギーの元となる、とても大切な栄養素です。バランスよく摂ることで、子どもたちの成長をしっかりサポートしてくれます。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、年齢ごとのPFCバランスの目安が示されています。
3~14歳
タンパク質:13~20%
脂質:20~30%(飽和脂肪酸は10%以下)
炭水化物:50~65%
15~17歳
タンパク質:13~20%
脂質:20~30%(飽和脂肪酸は8%以下)
炭水化物:50~65%
筋肉や骨、皮膚など体を作るために欠かせない栄養素です。成長ホルモンの働きを助ける力もあります。
おすすめの食材:
鶏肉、魚、卵
豆腐、納豆などの豆製品
ヨーグルトやチーズ
脂質は、体のエネルギー源になるだけでなく、脳の発達やホルモンの材料にもなります。良質な脂質を選ぶことがポイントです。
おすすめの食材:
青魚(サバ、イワシ、サンマなど)
アボカド、ナッツ(アーモンド、くるみ)
オリーブオイル、菜種油
※ファストフードなどは脂質が多すぎることがあるので、脂肪酸の質にも注意を。
遊びや勉強、運動など、子どもたちが日々元気に過ごすためのエネルギー源です。
おすすめの食材:
玄米、全粒粉パン、さつまいも
野菜や果物
オートミール、とうもろこし
※玄米や全粒粉は食物繊維が豊富で便秘にも◎ですが、小さいお子さんには消化しにくい場合もあるので様子を見ながら取り入れてください。
また、玄米に含まれる「フィチン酸」は、ミネラルの吸収を妨げることもあるため、他の食材でミネラルもバランスよく摂るようにしましょう。
PFCのバランスばかりに目を向けず、まずはお子さんの活動量に見合った「必要なエネルギー量」を確保することが大切です。
食事のバランスは毎食きっちりでなくても大丈夫。日ごと・週ごとに見て、少しずつ整えていく感覚で。
もしご不安があれば、お気軽にご相談ください。
お子さんの身長や成長を心配する気持ちはよくわかります。大切なのは、「正しい栄養」と「楽しい食事時間」の両立です。
無理なく、親子で食事を楽しみながら、成長をしっかりサポートしていきましょう。
ながいキッズクリニック 永井 正志