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「今の子どもたちは栄養も豊富だし、中高生はすらっとしていて、もっと背が高くなっていくんじゃないの?」
そんなふうに思っている方も多いかもしれません。そのため当院でも親の身長を超えそうにないことを悩まれて受診されることも珍しくありません。
しかし、実は最近の日本人の平均身長は少しずつ伸びが止まってきていると言われています。
国の研究によると、日本人の平均身長は戦後からずっと伸び続けていました。でも、ピークだったのは1970年代後半に生まれた世代で、
男性は171.5cm
女性は158.5cm
その後に生まれた世代では、身長がわずかに低くなってきていることがわかってきました。
将来的には、今の子どもたちが大人になる頃には、男性で1.5cmほど、女性で0.6cmほど低くなると予測されています。
(Naho Morisaki etc.: Ecological analysis of secular trends in low birth weight births and adult height in Japan)
いくつかの理由が考えられていますがはっきりした原因はわかっていません。
生まれたときの体重が2500g未満の「低出生体重児」が、1980年代以降で増えてきました。
こうした赤ちゃんは、成長してからの身長も低めになる傾向があります。
実は最近の日本人は、1日にとっているカロリーが戦後直後と同じくらいに減ってきているというデータもあります。
特に成長期の子どもたちにとって、栄養不足は身長の伸びに関係する大事な要素です。
スマートフォンやゲームの普及で、夜遅くまで起きている子どもが増えています。
夜にしっかり眠ることで分泌される「成長ホルモン」は、身長を伸ばすためにとても大切です。
「じゃあ、どうすればいいの?」と思う方もいるかもしれません。
背を高くするには、特別な方法や薬、サプリメントなどがあるわけではありませんが、
妊娠中からバランスの良い食事をとること
子どもが毎日しっかり食べて、よく眠れる環境をつくること
外遊びや運動の時間をしっかりとること
こうした基本的な生活習慣を整えることが、子どもの健やかな成長につながります。
ながいキッズクリニック 院長 永井 正志