「ナッツ類アレルギー」が増えています!!|ながいキッズクリニック|宝塚市川面の小児科・小児内分泌科・内科

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「ナッツ類アレルギー」が増えています!!

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最近増えている「木の実アレルギー」って?

最近、「くるみ」や「カシューナッツ」などの木の実(ナッツ類)でアレルギーを起こす人が増えているという報告があります。
消費者庁の令和6年度の調査では、ナッツ類が食物アレルギーの原因として第2位になりました。Yahooニュースでも取り上げられていて、これまで第2位だった「牛乳」を上回る結果なっていてビックリです‼(参考:管理栄養士が教える!知らなくて後悔しない、くるみなどナッツ類アレルギーが増加中で気を付けるポイント(管理栄養士しょこ) – エキスパート – Yahoo!ニュース

特に“くるみ”のアレルギーが増えていることもわかってきました。


ナッツのアレルギーってどんな症状?

ナッツアレルギーでは、次のような症状が出ることがあります

  • 皮膚の赤みや湿疹

  • 咳、鼻水、ゼーゼー

  • ひどい場合は、アナフィラキシーと呼ばれる命に関わる重い反応も

どの症状も、早めの対応がとても大切です。


なぜ今、ナッツアレルギーが増えているの?

ここ数年、ナッツは「体に良い」と注目されるようになり、日常的に食べる人が増えました。

ナッツはそのまま食べるだけでなく、

  • パンケーキやクッキー、グラノーラ

  • くるみ和え、ナッツ入りサラダ

  • スムージーやベビーフード

細かく刻まれていると気づかずに食べてしまうこともあるので、コーヒーショップなどでのパウダーなどにも注意が必要です。


アレルギーを防ぐためのポイント

① 食品表示をしっかりチェック!

食品パッケージには、使われている材料が書かれています。
アレルギーのある方は、原材料表示を確認する習慣をつけましょう。

● 表示義務がある「特定原材料(8品目)」

えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ)
→ 2023年に「くるみ」が新たに追加されました。

● 表示が推奨される「特定原材料に準ずるもの(20品目)」

(対象品目)
アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、牛肉、カシューナッツ、キウイフルーツ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、豚肉、バナナ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、マカダミアナッツ

アーモンド、カシューナッツ、マカダミアナッツなどもこちらに含まれます。
2024年には「マカダミアナッツ」が追加、「まつたけ」は対象外となりました。

2年連続でナッツ類の表示が強化されていることからもアレルギー患者さんが増えていることがわかりますね


② 初めてのナッツは少しずつ、慎重に

初めてくるみやカシューナッツなどを食べさせるときは、
体調のいい日に、少量から始めましょう。

乳幼児期のナッツの導入については、まだはっきりとした結論は出ていません。
これまで「木の実類は5歳頃まで控える」とされていましたが、
最近では早めに少量ずつ食べ始めた方がアレルギーの予防になる可能性も指摘されています。

現在日本でも、国立成育医療研究センターで「くるみの摂取開始時期とアレルギー予防」についての研究(WISH-J Study)が進められており、今後の研究成果に注目です。

● 食べさせるときの注意点

  • 小さい子では喉をつまらさないように砕くだけでは不十分、すりつぶす・ペースト・粉末など形態に注意

  • 「早めに食べるとアレルギーの予防につながるかも」と言われていますが、本当に予防できるのかどうかは、まだ研究途中です。どのくらいの量や頻度で食べたらいいのかも、はっきり決まっていません。
  • 誤嚥(のどに詰まること)を防ぐため、離乳食完了後(少なくとも3歳以降)、心配なら5歳以降での開始がお勧め

  • ご家族にアレルギー体質の方がいる場合は、必ずかかりつけ医と相談してからにしましょう


アレルギーかも?と思ったら

もしナッツを食べたあとに、
・皮膚の赤み、発疹
・咳や呼吸の異変
・ぐったりしている

などの症状が見られたら、すぐに医療機関に連絡してください。
迷ったら、救急相談窓口に連絡して指示を仰ぐのもよいでしょう。


最後に

ナッツアレルギーは、決して珍しいものではありません。
でも、「表示をしっかり確認する」「少量から始める」など、ちょっとした注意でリスクを減らすことができます。

大切なのは、“過剰に怖がらず、でも油断せず”

お子さんの年齢や体調にあわせて、無理のないペースで始めていきましょう。

ながいキッズクリニック 永井 正志