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アトピー性皮膚炎は、よくなったり悪くなったりを繰り返す病気です。
かゆみや赤みが落ち着いて「治ったかな?」と思っても、しばらくするとまた再発してしまう…。
お子さんのつらそうな様子を見て、治療に疲れてしまう保護者の方も少なくありません。
でも実は、「よくなったあと」のケア=維持療法こそが、再発を防ぐための大事なステップなんです。
アトピー性皮膚炎の治療は、大きく分けて2つの段階があります。
治療期:炎症やかゆみが出ている状態をしっかり抑える時期
維持療法期:症状が落ち着いた状態をキープする時期
「維持療法」では、目に見える症状がなくても、炎症の再発を防ぐためにステロイド外用薬を少しずつ使い続ける方法がとられます。
これを「プロアクティブ療法」とも言い、再発を防ぐための重要な治療です。
「ずっとステロイドを使い続けるのは心配…」
そんな声に応えるように、ステロイドを使わない新しい塗り薬も登場しています。
今回は、現在よく使われている2つの薬をご紹介します。
2歳以上から使用できるJAK阻害薬
炎症を起こす物質の働きをブロックして、かゆみや赤みを抑えます
顔や首などの皮膚の薄い場所にも使いやすいのが特長です
生後3カ月から使えるPDE4阻害薬
炎症やかゆみの原因となる物質を減らしてくれます
低刺激で、特に敏感肌のお子さんにもおすすめ
継続的に使うことで、トラブルの起きにくい肌へと整えていきます
Q:症状がないときにも塗るの?
→ はい。症状が出ていないときこそ、再発を防ぐために塗り薬を続けることが大切です。
Q:ステロイドとどう違うの?
→ ステロイドは、強い炎症をすばやく抑える「即効性のある薬」です。
一方、コレクチムやモイゼルトは、「炎症の再発を防ぐ」ことが得意な薬です。
Q:長く使っても大丈夫?
→ どちらの薬も、長期間の使用が可能で副作用が少ないとされています。
安心してご使用いただけます。
Q:どっちの薬がいいの?
→ 効き方には個人差があります。
まずは4週間ほど使ってみて、効果が感じられない場合は薬を変えてみることもあります。
アトピー性皮膚炎の治療は、焦らず、じっくり、「炎症ゼロの肌」を育てていくプロセスです。
目指すのは、「かゆくない毎日」と「塗らなくても大丈夫な肌」。
私たちと一緒に、少しずつ整えていきましょう。
ご不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談くださいね。
ながいキッズクリニック
院長 永井 正志