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最近、「百日咳(ひゃくにちぜき)が流行しています!」というニュースをよく見かけますね。
実は、2024年11月にお隣の韓国で百日咳が流行していたので、「次は日本かも…」と思っていました。最近は実際に患者さんからの質問も増えてきたので、改めて百日咳についてご紹介したいと思います。
百日咳は、「百日咳菌(Bordetella pertussis)」という細菌によって起こる感染症です。
特徴的な咳が長く続くため、「百日咳」と呼ばれています。
軽い咳、くしゃみ、鼻水など風邪に似た症状でこの時期は風邪との区別が難しいです
「ヒュー」という音を伴う連続した咳(スタッカート咳)が出ます
特に夜間に悪化しやすく、息が苦しくなることもあります
咳が徐々に軽くなりますが、完全に治るまでに時間がかかることがあります
百日咳は、飛沫感染によって広がります。
つまり、咳やくしゃみのしぶきに含まれる細菌を吸い込むことで感染します。
特に注意が必要なのは:
保育園や学校、職場など人が多く集まる場所
大人から子どもへ感染する「サイレントキャリア(無症状感染)」のケース
百日咳は1年を通して見られますが、春〜夏にかけて増える傾向があります。
日本では特に、
5歳未満の子ども
10代後半〜大人
の2つの年齢層で多く見られます。
大人にとってはただのしつこい咳でも、乳児に感染すると重症化する可能性があります。
咳によって呼吸が止まったり、けいれんを起こすケースもあるため、赤ちゃんがいるご家庭では特に注意が必要です。
百日咳の診断は、咳の特徴や経過から判断しますが、初期は風邪との区別が難しいため、検査が有効です。
当院では、鼻から綿棒で採取する方法のPCR検査にて調べています。結果も早く出て、精度も高い方法です。
マクロライド系抗菌薬(例:クラリスロマイシン)が用いられます
百日咳は、ワクチンで予防できる感染症です。
日本では以下のワクチンに百日咳が含まれています:
三種混合(DPT)
四種混合(DPT-IPV)
五種混合(Hib-DPT-IPV)
ただし、これらは1歳前後までに4回の定期接種が終わるため、その後時間とともに効果が弱まってしまうことが知られています。海外では6回接種が一般的な国も多く、日本でも追加接種の必要性が見直されています。
特に、赤ちゃんがいる・生まれる予定のあるご家庭では、家族全員での追加接種をおすすめします。
当院では、任意接種としてDPT(三種混合)ワクチンの接種が可能です。
就学前(5〜6歳・年長児)のお子さん
→ 定期接種の「MR(麻しん風しん)ワクチン2期」との同時接種がおすすめです。
11〜12歳のお子さん
→ 定期接種の「二種混合(DT)」の代わりに、「DPT(三種混合)」をおすすめします。
DPT(三種混合)ワクチン:5,000円
「うちの子、接種が必要かな?」「自分も追加接種すべき?」など、
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
お電話でも大丈夫です!
ながいキッズクリニック 永井 正志