”熱性けいれん”について|ながいキッズクリニック|宝塚市川面の小児科・小児内分泌科・内科

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”熱性けいれん”について

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“自分の大切な子どもが目の前で痙攣している”

この状況でパニックにならずに適切な行動をすることは非常に難しいと思います

しかし、タイトルにある『熱性けいれん』は約12人に1人のお子さんが経験するよくある小児特有の疾患です。幸いなことに熱性けいれんは予後良好な疾患とされていますが、痙攣時の転落などの事故に注意が必要です

また、てんかんの初回発作であったり、脳炎などの重篤な疾患の痙攣であったりすることもあり、どのようなときに救急車を呼ぶべきかを悩まれると思います

基本的に救急車要請して大丈夫ですが、パニックになったご両親は自家用車で行くか悩まれる方もおられますので最後に目安もお示しします

まず、痙攣発作時に行うべき対応です

1:床に横向きに寝かす(安全の確保)

2:どのような痙攣かを記録する(スマホでの動画撮影が便利)

3:2~3分以上痙攣が持続する場合は“119番”に電話

熱性けいれんは通常、生後6か月~5歳までに通常38℃以上の発熱した際に認めます。食事中などでは椅子などから転落する可能性がありますので、まずは床などの安全な地面に寝かせてください。痙攣では嘔吐を伴うことがあり、吐物の逆流による窒息があるので上向きではなく、顔を横にしてあげてください

また痙攣中は両目を開いて口を閉じて力む様子なので、舌を噛むのではとタオルを噛まそうとすると上記の吐物で窒息したり、口内の嘔吐物を拭おうと手を入れたりすると嚙まれたりするのでしないようにしてください

病院についた際にはどのような痙攣だったかを聞かれるのですが、冷静に覚えておく余裕はないと思います。その後の診察時に役立つので治療だと思って、全身が映るようにスマートホンなどで動画撮影してもらえるといいと思います。撮影時間で持続した時間も分かります。(目の前の最愛の我が子の痙攣中はすごく時間が長く感じます)

痙攣がおさまり、意識がはっきりした後には可能なら医療機関への受診をお勧めしますが、最後に救急車を利用する目安は以下の通りです

・5分以上けいれんが持続している

・24時間以内で2回目の痙攣発作

・痙攣後に意識がおかしい状態が続く、もしくは体に麻痺を訴える

・痙攣が両側ではなく、片側だけの動きであった

・痙攣したが、そもそも発熱していない

・もともと神経学的異常や発達遅滞がある(*意識清明が確認しづらい)

上記以外の場合でも我が子の痙攣を初めて経験し焦る両親の小児救急受診に怒るような医療者はいないと思いますので、迷った場合は先に記載した通り救急車を呼んでいいと思いますし、平日日中ならかかりつけ医に相談しても良いと思います

熱性けいれんを経験したお子さんでも半分以上は生涯で1回のみで、長時間の痙攣持続や窒息や転落などの事故が無ければ後遺症を残さない予後良好な疾患ですので、焦らず適切な行動を取れるように小さなお子さんがいらっしゃる方は事前に頭の中でシミュレーションしておくと良いでしょう

 

ながいキッズクリニック 院長 永井 正志 拝

 

 

(ながいキッズクリニック公式ブログ 2021.7.18)